LIOJ 35th Anniversary
「一生勉強一生感動」
大川 信夫

 私が母校の栃木県立足利高等学校に勤務している頃、1971年(昭和46年)にLIOJのworkshopのご案内を頂き、それに理事長ローランド・ハーカーとあるのを見て懐かしさが込み上げて来て、また、私が小学三年の頃、夏休み中一家揃って小田原に滞在した事もあり一層懐かしさが増して参加を申し込みました。

 というのは、ハーカー先生には私が青山学院一年の時、英会話とoral Englishを教えて頂き、当時先生は27才位かと思いますが、いつも笑顔で接して下され、生徒に慕われておりました。聖書コリント前書の愛の讃歌、詩篇23篇、リンカーンのGettysburg Addressなど教えて頂き、今でもそれ等全部諳んじております。昭和16年12月8日ハーカー先生の授業が中断され、全学院生が校庭に集合、太平洋戦争の大戦の詔勅が院長によって読まれ、それ以来キャンパスにハーカー先生のお姿は見られなくなってしまいました。

 私が初参加したのは1971年、第二回目からで、私が48才の時で参加費は三万三千円でした。先ず始めに口頭でplacement testが行われその成績によって6groupに分けられました。現在は自己評価ですが、その方がbetterと思います。自己採点で110点満点の96点で私はsecond best groupに編入されました。

 今と違って野外研修もあり、大雄山までbus tripしたり、自由時間にハーカー先生の案内で石垣山にハイキングしました。「此所は秀吉が小田原城を攻めた時の根拠地だった。」と説明して下さいました。先生はLIOJを去られた後も○○年記念の時にLIOJに来て下さいました。当時はfarewell partyにもアルコール飲料は有りませんでした。食事もバイキング形式でした。ハーカー先生は今は亡くなられ、叙勲を受けてアジアセンターの庭にそのmonumentが建っております。私の日記に感想として「青学の恩師ハーカー先生に会えて嬉しかった。相変わらずご立派な先生だ。外国人講師の方も決しておざなりの授業でなく、時間一杯に、時に時間超過する程熱心だった。蝉の鳴き声が賑やかだった。私は毎朝早朝海岸までジョグし、またよく発言した。その為か私が修了証書を受領した時特に拍手が多かった。楽しい思い出を残してアジアセンターを去る。楽しかりし実り多き一週間よ、さらばLIOJよ・・・」と。以上ハーカー先生を中心として初参加の思い出です。私は今回の参加で16回目になりますが、今の参加の先生方には私の初参加の年には生まれていなかった方もおられます。

 参加の度に早朝約40分位ジョグし、米人の講師の先生も一緒に走って下さった人もおります。またgroup matesの写真を撮っては送っていますので礼状や年賀状を戴いております。特に七ツ村先生には参加の度にお会いしておりますが、もう20数回のご参加でLIOJの生き字引の方です。

 私は今満80才になり35回目はthe oldest participantでしたが、毎年English speaking friendsにお会いするのが楽しみです。私が不参加の翌年はgroup matesやstaffの方が "What happened to you, Nobuo? I missed you."と言って下さって嬉しく思います。2000年参加の時に私が「炭坑節」を英訳し、group matesとその踊りを披露しましたら、その頃のgroup matesが「またやりましょう」と言われ、今回もその方々と炭坑節踊りを演じました。

 数年前は桜井広利さんと毎朝一緒にジョグしておりましたが、今回もアジアセンターに私を訪ねて下され一緒に走り、文学館や北村透谷の墓を案内して下さいました。健康に恵まれ75才まで教壇に立てましたが、今教職を去りnative speakersと英語を話す折も少なく口が寂しいです。一層workshopが恋しいです。ラヂオで独、仏、西語もきいていますが「継続は力なり」と信じ、事情が許せば毎年参加し英語をbrush upしたく思います。 特別講演にいらした英語の達人西山千氏、國弘正雄氏、高橋源次氏にもmotivateされました。"It is never too late to learn."「一生勉強一生感動」(相田みつを)を旨として行きたいと思います。

 長年のcareerで参加者や外国人講師から"You have large vocabulary"と言われる事もあり、昭和39年に英検一級を取得しておりますがやはり加齢には勝てずlistening comprehensionは若い方の方がずっと速く、教えて頂く事も度々あります。老とるをよろしくお願い致します。

 いつも快く迎えて下さるアジアセンター、LIOJのスタッフの皆様、いつもおいしい食事を提供して下さる食堂の皆様、また年金生活者の私の為に参加費を工面してくれる妻にもみんな感謝致します。みんな「お蔭様」(相田みつを)です。


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